「異能使い 弐式」

コンベンションで新作(とは言え発売から結構経っているが)の「異能使い 弐式」を遊んでみたのでシステムの感想と覚え書き。
シーン関連のシステムとしての「予感システム」は健在。見た感じはややこしいが、そんなに難しくはなく、縛りも厳しくはない。持っている予感をチェックしてシーンに登場し、終了時にシーン予感を得る。チェックした予感を消費してNPCやキーワードに対する絆を得て、これがヒーローポイント的なものとして振り直しや復活に使えるものとなる。変換は一方通行だし、予感は常に3つあるので登場に困ったりするケースはそんなに無い。サクサク回せば絆もすぐに上限に達するので縛りというよりは、キャラクターの感情や演出のために使うこともできるし、ゲーム優先ならチェックだけでも可だ。
戦闘バランス的には、PCのHPが多いのでダメージ軽減や回復系の能力が活きている。敵味方ともに、ガリガリとダメージの応酬ができる感じだ。「ダブルクロス」も3rdになってそんなバランスになったようだが、その辺りがはっきり打ち出されているのはなかなか嬉しい。少し前までの流行として、「一撃必殺」的にPCが即死する程のダメージが飛び交うものがあったが、バランスの取り方が難しかったり、回復系の能力にあまり意味が無い場合も多かった。この辺りは好みにもよるが、自分としては前者のバランスが趣味に合っている。
ブレイクスルー効果としての「絆効果」と「血脈」だが、今回の「血脈」は神業のような絶対的な効果を持つものではない。血脈によって絆効果を少し強化、変化させるシステムになっている。具体的には絆効果はゲーム中に7回。通常は自分の判定の振り直しやクリティカル減少に使うが、血脈によってこれを他人に使ったり、達成値強化の効果を持たせることができる。またダメージ軽減や完全復活などの強力な効果として使える血脈もあるが、これは使用回数が制限される。つまり、血脈は絆効果の使用傾向を変化させる程度のものとして、出し惜しみせずにバンバン使っていけばいい。先の戦闘バランスと合わせて考えると、回避やアタッカーの命中判定に絆効果を注ぎ込んで、戦闘の時間として4〜6ラウンドくらいを想定すれば良い感じかな。ちなみにMPというリソースは無いので、半端な雑魚戦に意味は無い。PCの強さを演出する程度のものか、逆に絆効果を削るくらいの歯ごたえのある戦闘が、このシステムには向いているだろう。
総合的に見て、(以前のシステムとは大幅に変わった印象だが)なかなか自分好みのゲームになっている。というか、絆効果や血脈周りのシステムは、自分が考えていたシステムに近いものがあり、パクられたのかと思ってしまう程だ(注:どこにも発表していません)(笑) 近いうちに身内セッションでマスターをやる予定だが、この分なら楽しいゲームになりそうだ。