妖怪つみつみショーギ その3

ようやく近所に体験会がやって来たので、親子連ればかりの中オッサン1人で参加してきたw 王将勝ち狙いで戦うと、5ターン目くらいで勝ちそうになってしまったので慌てて方針変更。殴り合いの結果、やはり勝ってしまった。対戦相手の小学生には申し訳なかったが、これをバネに強くなりますようにw

今回は成り駒について。高レベルの駒を低コストで出せるつみショー独自のルールだ。これについて考えてみる。
まずメリットとして、手持ちの駒が少なくても高レベルの駒を出せる。これは大きい。普通に出したら2枚程度しか出せない5レベル駒を、3枚、4枚と同時展開できれば盤面制圧力はかなりのものだ。
更に成る前の駒はダメージを受けると手元に戻るため、同じ駒を再利用できる。レアのジバニャンやコマさんは、そういった運用を想定した駒だろうか。基本セットの1レベル駒と合わせて、状況に応じていろいろ活用できそうだ。
逆にデメリットとしては、出すまでに時間がかかること、また2枚が揃わないと(成り駒としては)出せないことだ。また当然ながら駒の耐久力が低くなるのでやられやすいということもある。直接ダメージ能力を持つ駒が敵陣にいる場合は、成り駒として出さずに普通に出陣した方が良い。
というわけで成り駒対策としては直接ダメージ能力を持つ、犬神や女郎蜘蛛を入れておきたい。逆に成り駒を活用するには、回復能力を持つ駒が欲しい。更に言うなら、必殺技を持つ駒と組み合わせて、駒の遊びを最小限にする調整ができればベストだろうか。

妖怪つみつみショーギ その2

このゲーム、勝利条件は2つある。一つ目は「敵の駒を6つ倒す」ことで、もう一つは「王将を全て倒す」こと。もちろんどちらも狙えるのだが、基本方針は決めておいた方が戦いやすい。どちらがより勝ちやすい方法だろう?

まず「敵を6つ倒す」には、当然より強い駒を入れて、たくさんダメージを与えれば良い。「うんがい三面鏡」や「花さか爺」で復活されることもあるが、それも倒してしまえば問題ない。シンプルなだけに戦略もわかりやすい。
当然相手もわかっているので殴り合いになるだろう。より強い駒、効率の良い駒を展開し、バトルする。こちらはこのゲームの「王道」な勝ち方と言える。のかな?

次に「王将を全て倒す」方だが、こちらは少し複雑だ。たった3回攻撃を通せば良いだけなのだが、その分難点も多い。
まず、王将狙いとバレると相手は当然妨害してくる。それをかいくぐるためには敵の排除も必要だ。つまり、敵の駒を倒しながら王将も狙わなければならない。目標が分散しやすいのだ。
また、王将駒も手元に戻ればコストとして使える。つまり、相手の駒が増えてしまうのだ。更に妖怪駒がやられると手持ちの駒は減ってしまう。駒の差はそのまま戦力の差に繋がる。序盤は良いが、後半になるとこの不利は痛い。
こう考えると、王将狙いは短期決戦型の編成が向いている、と言えそうだ。

個人的には王将狙いが好きなのだが、第一弾のリストを眺めてみると王将狙いに向いた駒が少ないように感じる。射程2を持つ「キュウビ」、王将への道を作る「にんぎょ/八百比丘尼」「イケメン犬」、低レベル高移動力の「ホノボーノ」あたりは良さそうだが、それだけでは難しい。短期決戦型王将狙いデッキは、次弾以降を待った方が良いかもしれない。

すると第三の選択肢として考えられるのは、「普通に戦いつつ、王将も狙うデッキ」。つまり、両方狙いだw 当然プレイングは難しくなるが、後半王将が残り1枚のときに射程2を持つ駒が出てきたときのプレッシャーはかなりのものだ。殴り合いデッキにお守りのキュウビ1枚、これだけで戦闘の選択肢は拡がるだろう。

基本セットのデッキで遊んだばかりで、まだ強デッキ、強駒はわからないが、とりあえず「キュウビ」を推しておく。これが基本のセットにかならず入っているのだから、お買い得ですよw

妖怪つみつみショーギ その1

長らく放置していたブログを久しぶりに更新w

昨日発売された新作ボードゲーム、「妖怪つみつみショーギ」を購入してみた。このゲーム、以前「バトルブレイク」という名前で販売されていたミニチュアフィギュアゲームに近いルールで、それにハマっていた人達の間で話題になっている(自分もそのクチだが)。しかしそこをプッシュしてもバトブレを知らない人には意味がないし、新規ユーザーが増えて欲しいのでここでは新作ゲームとして見てみる。ちなみに妖怪ウオッチについては何も知らないw

というわけでこの「つみつみショーギ」は、タイルとダイス、ボードを使った2人対戦のトレーディングタイル(カードではない)ゲームだ。一つ購入すれば2人で遊べる「対戦パックセット」が1200円、追加のタイルが4つ入ったブースターパックが200円、100円ガチャでも2つ100円で売られている。他のトレーディング系ゲームと比べても安価な部類だろう。

ルールは公式ページに掲載されているが、対象年齢6歳以上と簡単なもの。妖怪ウオッチのキャラクターが印刷された妖怪駒は可愛くてコレクション性もある。しかし大人ゲーマーも納得できる奥深さも持っている。

プレイヤーは1デッキ12枚の妖怪駒(タイル)と、3枚の王将駒を持って対戦する。3×5のボードの端にお互いの王将駒を裏向きに積み、妖怪駒はボード外にこれも裏向きに積む。妖怪駒を自陣から出して敵陣に進み、敵の妖怪駒や王将駒を攻撃する。勝利条件は相手の妖怪駒を6つ倒すか、王将駒を3枚倒せば勝ち。戦闘の判定には特殊ダイスを使い、多少のランダム性がある。1ゲームは20分くらいか?

ゲームの肝は「つみつみショーギ」のタイトル通り、駒を積むところだ。駒にはレベルがあり、出撃するときにレベル分の駒を積んで出す。この枚数が駒の体力で、ダメージを受けたり特殊能力のコストとして支払うと手元に戻る。体力が無くなるとその駒は撃破されてしまうが、それ以外の手元に戻ったタイルは再利用できる。どのタイルを駒として出し、どのタイルをコストとして使う(=温存して後で使う)かの選択や、あえて(能力を使って)駒のタイルを減らし、多数の駒を戦場に展開するといった戦術が重要になる。

タイルは1ターンに2枚引けるので(最初の手札を含めて)5ターンで全て引いてしまう。反面、勝利条件は駒6枚の撃破なので、戦場に出ないままコストとして使われるだけのタイルも存在しうる。遊兵を作らず、戦力を最大限に活かした者が勝つゲームということだ。
とは言えそこまで難しいことはなく、強い駒を出したり駒同士のコンボを狙ったり、戦闘のダイスに一喜一憂するだけでも楽しめる。この辺りの運と戦術のバランスが、好きな人にはたまらない要因だ。

偉そうなことを言っているが自分も買ったばかりで対戦経験はほとんど無い。これから戦術やらデッキ構築やらいろいろ考えてみたい。

Android;NETRUNNER アイデンティティ ランナー

Android;NETRUNNER アイデンティティ ランナー

続いてランナー。ランナーのデッキは基本セットに3種類入っている。

Noise/Anarchs
ウィルス使い。効果は「ウィルスプログラムをインストールしたときに、企業のR&Dの上から1枚を破棄する」ウィルスをガンガン使って企業を弱体化させるタイプだ。ウイルスには企業のアイスを弱体化させるものもあり、何度も侵入して企業の活動を妨害するデッキだ。
「MEDIUM」コスト3 ウイルス/プログラム。R&Dへの侵入が成功するたびにウイルスカウンターを乗せ、その数だけR&Dに追加でアクセスできる。企業のデッキを削る強力なカードだ。

GABRIEL SANTIAGO/CYBORG
サイボーグなランナー。効果は「HQへのランが成功したときに2クレジットを得る(1ターン1回)」。構成カードにもHQにアクセスしたときに追加効果があったり、HQへの侵入を支援するカードがあったりと手札狙いの構成だ。
「INSIDE JOB」コスト3、イベント。ランを行い、最初に遭遇したアイスをすり抜けて侵入できる。単発とはいえ、アイス一つを無視できるのは強い。逆に企業は2枚以上のアイスを重ねないと守りきれない、というプレッシャーを与えられる。

KATE“MAC”MCCAFFREY/NATURAL
自然派というか生身のランナー。サイバー化されていないため、企業からの逆探知に強い。これを表すため、唯一リンク1を持っている。効果は「ターン中、最初にインストールするプログラムかハードウェアのコストを1下げる。」カードの特徴としてはリンクやダメージを軽減するカードなどが豊富なため、装備を充実させて、多少の被害は折り込み済みで突入するタイプのデッキ、ということだろうか。支援カードが多いので、他のデッキに組み込みたいカードも多い。
「MAGNUM OPUS」コスト2、プログラム。アクションを消費して得られるクレジットを2にしてくれる。財政難になやむランナーには是非とも欲しいカード。メモリを食うのが欠点だが、それでも優先して組み込みたいプログラムだ。

Android;NETRUNNER アイデンティティ(企業側)

Android;NETRUNNER アイデンティティ

HAAS-BIOROID
バイオロイドというからには医療工学系の企業だろうか。特殊効果は「毎ターン、カードをインストールしたら、初回に1クレジット得る。」汎用性の高い便利な効果で、オーソドックスな(金にものを言わせる)企業デッキ。この企業のアイスはパワーは高いが、ランナーはアクションを消費するとサブルーチンを破壊できる。強力だが隙のある大企業というか感じか?
「BIOTIC LABOR」コスト4。金の力でそのターンのアクション回数を増やせる。インストールしたアジェンダを即座に達成するのが一般的な使い方だろう。理不尽な企業パワーがいかにもネットランナーという感じだw

JINTEKI
フレーバーにヒューマンタッチとか書いてあるから(どこかで聞いたフレーズだが)「人的」か? しかし内容は「人敵」って感じの企業。効果は「アジェンダを達成するか盗まれたら、ネットダメージ1点を与える。」完全なダメージ型デッキ。アイスはほとんどがネットダメージを与え、その他にもアンブッシュ(罠)カードが多い。アジェンダ達成よりは、ランナーの手札を破壊して勝つ過激な企業だ。

「ZAIBATU LOYALTY」コスト1だがカードの公開を防ぐ効果を持つ。アンブッシュでランナーをハメたい企業には是非とも欲しいカードだ。

NBN
いろいろ名前の由来は変わったらしいが、とにかくニュースだかネットワークだかの企業。その名の通り情報系に強く、効果は「トレースに使用できるクレジット2を持つ(毎ターン使用可)」とにかくトレースしてランナーの正体を暴く企業だ。この企業のアイスはサブルーチン以外にランナーにクレジットを支払わせたり、タグを付けたりと地味ながら有効な効果を持つ。

「CLOSED ACCOUNTS」口座の閉鎖。タグの付いたランナーの所持クレジットを0にする。制限付きながら、この理不尽な企業パワーがやはりネットランナーらしいw

WEYLAND CONSORTIUM
とにかく悪い企業。基本セットの中で唯一、バッドパブリシティ(悪評)ポイントを得るカードがあることからも間違いないw カードは癖があるが、強力な効果を持つ。基本セット中では最もテクニカルなデッキだろう。効果は「トランザクションのオペレーションを使用すると1クレジット得る」該当カードは6枚しかなく、正直弱い効果だが、構成カードの強さでバランスを取っているのだろう。この企業のアイスは進行させることでストレングスを強化できる。相手によっては有効だが、その手間をかける価値があるかは不明だ。また達成したアジェンダを破棄して公開できる強力なカードもある。下記の1点アジェンダとのコンボ用だろう。

「HOSTILE TAKEOVER」わずか2で達成できるアジェンダ。ポイントは1だが、7クレジット(と、悪評ポイント)がついてくる。達成は容易だし、ランナーに取られてもダメージは少ない。企業の悪辣さがにじみ出ているカードだw

無色カード
無色カードはどのデッキにも合う
ように、収入、防衛、攻撃とバランスよく構成されている。逆に自分でデッキを組む場合、まずはここから不要なカードを抜くのが基本だろう。
アイスは3種あり、比較的安価で高ストレングスだが、サブルーチンの効果はおとなしい。
アジェンダは3点と2点が3枚づつ。アイスの無料公開は嬉しいが、肉体ダメージを与えるカードはちと使いにくい。
オペレーションとアセットはいずれも収入に関するもの。しょじクレジットが生命線の企業にとっては重要なカードだ。

Android;NETRUNNER(経験者向け)

Android;NETRUNNER(経験者向け)

というか自分のための備忘録。新版になってからの変更点

・企業やランナーのフェイスカードが付いた
最近の流行か? デッキの傾向を表すカードを最初に公開する。これによって基本的にデッキに入っているカードと、ゲーム中の特殊能力が決まる。企業ならクレジットの多いセレブデッキや、ランナーへのダメージが増える爆破デッキなど。ランナーなら正統派潜入デッキや、搦手のウイルスデッキなど。企業側は企業のトレードマークが、ランナー側はキャラクターのイラストが描かれている。

・構築ルールの変化
フェイスカードに付随して、構築ルールも変更された。今までは枚数制限くらいにだったが、フェイスカードの色による制限が加わった。
カードには得点があり、フェイスカード以外の色のカードは合計15点ぶんまでしか組み込めない。同色や無色のカードは制限なしにデッキに入れられる。基本セットなら、色一つに無色カードを混ぜればデッキ完成となる。
手軽に構築できるのは良いが、やや縛りがキツいので、無色カードが充実したり、合計得点のみで構築するルールがあると嬉しい。

・トレース(追跡)のルール変更
旧版では非公開競り形式だったと思うが、今回は企業側が先に公開し、ランナー側が後払いする形に。使える資金上限がなくなり、トレース関連のカードが使い易くなった。

・世界観の変更
版元が変わって、背景世界がAndroidというものに変わった。カードの名前が変わったり、イラストが一新されたり。恐らく他のゲームと共用だと思われるが、クオリティは高い。

・アイスの名前変更
企業側の防壁が、コードゲート、セントリーと、バリアーになった。恐らくウォールが変更されたものだと思うが、4パターンになったのなら企業側に有利な変更だ。カード一覧が必要だな。

・各種トークンの追加
基本セットにはゲームに必要なトークンや、アクション数を管理するカード、サマリーなどが付属している。他にグラスカウンターなどの用意が必要だった旧版から進歩した点と言える。


とりあえずざっくり遊んだ範囲ではこのくらい。次回は企業とランナーのリストやカードの感想とか書きたいところだ。

Android;NETRUNNER(初心者用)

Android;NETRUNNER

とりあえず何度か対戦して掴めてきたので久しぶりのボドゲレビュー。これで一人でもプレイヤーが増えるといいなーw

とりあえず基本情報から。FFG社から出ているLCGという、トレーディングカードゲームボードゲームの中間のようなゲーム。2人のプレイヤーがデッキを持って対戦するが、セットアップが容易なことや、カードがセット販売で面倒な収集要素が無いところがポイントだ。

さて、このネットランナーというゲーム、大昔にトレカで販売されていた。マジック:ザ ギャザリングを作ったデザイナー(リチャード ガーフィールド氏)の新作ということで注目されたが、マジック
以上に特異なルールが敬遠されたか、題材が受けなかったのか、他の多数のトレカに埋もれて消えていった。しかし対戦ゲームとして優れたゲームだったので、自分のように隠れた愛好者は多かった。これが15年ぶりくらいで形を変えて復活したのだ。やや出遅れたがこれを遊ばない手は無い。

ネットランナーのは未来の世界(いわゆるサイバーパンク)で、大企業とハッカーのネット抗争をするというゲームだ。プレイヤーは企業とランナー(ハッカー)それぞれに別れて対戦する。このゲームがトレカとして独特なのはこの点で、企業とランナーでは全く違うカードを使い、デッキもプレイングも異なるというところだ。ただでさえ独特なルールや用語の多いトレカで、覚える要素が2倍というのは厳しいが、これがこのゲームの魅力でもある。
普通のトレカは対等の条件での殴り合いだが、ネットランナーではランナーが攻撃側、企業が防衛側となる。企業がネット上に置く企画や情報を、ランナーが潜入して掠め取ろうとするわけだ。

双方の目的は企業デッキにあるアジェンダと呼ばれるカード。これは企業が投資したり運営している計画で、企業はこれを配置し、資金を投入して完成させれば勝利ポイントとなる。逆にランナーは企業の持つアジェンダカードに(ネットを通じて)アクセスすればその計画を奪い、ポイントにできる。
企業はランナーを防ぐため、ネットにアイスという防壁を構築する。ランナーはアイスを突破するプログラムを用意し、企業のサーバに潜入する。企業のカードは伏せてプレイされるため、ランナーは潜入してみないとそこが当たりかどうかはわからない。企業はランナーの潜入をふせぎたいが、全てを防衛はできないのでポイントを絞る必要がある。この読み合いやブラフ要素がこのゲームの特徴と言えるだろう。
ランナーが潜入できるポイントは、企業が配置したカードだけではない。山札や手札、果ては捨て札の山にまでランナーは潜入してくる。それらを守りつつ、更に計画を進めなければならない企業側は、ブラフと資金やアクションをやりくりする計画性が重要だ。
逆にランナー側は、どこにあるかわからない企業の計画を探さなければならない。配置されたカードを狙うか、手札や山札を狙うか。企業の狙いを見切り、潜入する。グズグズしていると、企業の防壁はどんどん堅くなる。しかし無防備に突撃すると、居所を突き止められて企業から反撃を食らうかも知れない。展開スピードと周到な準備、見切りとバランス感覚がランナーには必要だ。

立場によって異なる2つのゲームをしているような、それでいてお互いの読み合いとカードの巡りに一喜一憂できる、優れた対戦カードゲームだ。システムの基本的なところは昔からほとんど変わっていない。旧来からのプレイヤーと、新たにここから始めたプレイヤーが対等の条件で遊べるということもあり、TCGの好きな人には是非とも体験してもらいたいゲームだ。(トレカみたいに散財しまくる必要も無いしねw)