Android;NETRUNNER(初心者用)

Android;NETRUNNER

とりあえず何度か対戦して掴めてきたので久しぶりのボドゲレビュー。これで一人でもプレイヤーが増えるといいなーw

とりあえず基本情報から。FFG社から出ているLCGという、トレーディングカードゲームボードゲームの中間のようなゲーム。2人のプレイヤーがデッキを持って対戦するが、セットアップが容易なことや、カードがセット販売で面倒な収集要素が無いところがポイントだ。

さて、このネットランナーというゲーム、大昔にトレカで販売されていた。マジック:ザ ギャザリングを作ったデザイナー(リチャード ガーフィールド氏)の新作ということで注目されたが、マジック
以上に特異なルールが敬遠されたか、題材が受けなかったのか、他の多数のトレカに埋もれて消えていった。しかし対戦ゲームとして優れたゲームだったので、自分のように隠れた愛好者は多かった。これが15年ぶりくらいで形を変えて復活したのだ。やや出遅れたがこれを遊ばない手は無い。

ネットランナーのは未来の世界(いわゆるサイバーパンク)で、大企業とハッカーのネット抗争をするというゲームだ。プレイヤーは企業とランナー(ハッカー)それぞれに別れて対戦する。このゲームがトレカとして独特なのはこの点で、企業とランナーでは全く違うカードを使い、デッキもプレイングも異なるというところだ。ただでさえ独特なルールや用語の多いトレカで、覚える要素が2倍というのは厳しいが、これがこのゲームの魅力でもある。
普通のトレカは対等の条件での殴り合いだが、ネットランナーではランナーが攻撃側、企業が防衛側となる。企業がネット上に置く企画や情報を、ランナーが潜入して掠め取ろうとするわけだ。

双方の目的は企業デッキにあるアジェンダと呼ばれるカード。これは企業が投資したり運営している計画で、企業はこれを配置し、資金を投入して完成させれば勝利ポイントとなる。逆にランナーは企業の持つアジェンダカードに(ネットを通じて)アクセスすればその計画を奪い、ポイントにできる。
企業はランナーを防ぐため、ネットにアイスという防壁を構築する。ランナーはアイスを突破するプログラムを用意し、企業のサーバに潜入する。企業のカードは伏せてプレイされるため、ランナーは潜入してみないとそこが当たりかどうかはわからない。企業はランナーの潜入をふせぎたいが、全てを防衛はできないのでポイントを絞る必要がある。この読み合いやブラフ要素がこのゲームの特徴と言えるだろう。
ランナーが潜入できるポイントは、企業が配置したカードだけではない。山札や手札、果ては捨て札の山にまでランナーは潜入してくる。それらを守りつつ、更に計画を進めなければならない企業側は、ブラフと資金やアクションをやりくりする計画性が重要だ。
逆にランナー側は、どこにあるかわからない企業の計画を探さなければならない。配置されたカードを狙うか、手札や山札を狙うか。企業の狙いを見切り、潜入する。グズグズしていると、企業の防壁はどんどん堅くなる。しかし無防備に突撃すると、居所を突き止められて企業から反撃を食らうかも知れない。展開スピードと周到な準備、見切りとバランス感覚がランナーには必要だ。

立場によって異なる2つのゲームをしているような、それでいてお互いの読み合いとカードの巡りに一喜一憂できる、優れた対戦カードゲームだ。システムの基本的なところは昔からほとんど変わっていない。旧来からのプレイヤーと、新たにここから始めたプレイヤーが対等の条件で遊べるということもあり、TCGの好きな人には是非とも体験してもらいたいゲームだ。(トレカみたいに散財しまくる必要も無いしねw)