スモールワールド

その昔、「Vinci」というゲームがあった。ヨーロッパ周辺の部族の興亡を扱ったゲームで、ランダムに引かれた様々な能力を持つ部族を担当し、陣取りを行うゲームだ。地味なチットとカウンターのゲームながら、容赦ない侵略と特殊能力の応酬で、一時期かなりハマっていた良作だ。
このゲームがなんと、リメイクされて帰ってくるという。これはチェックせねばなるまい。
というわけで「スモールワールド」。テーマはファンタジーに変わり、エルフやスケルトンなどの様々な種族(?)が、領地を争うゲームになっている。コンポーネントも派手になり、大きなイラスト付きのカラータイルは管理もしやすい専用ケース入りだ。マップも人数に合わせて4種類あり、特殊効果タイルもあってプレイアビリティは格段に良くなった。
実際のゲームだが、ランダムに引かれた種族と特殊能力の組み合わせを選び、対応した数の戦力タイルを持つ。この戦力を使って領地を広げ、領地の広さに応じた勝利コインを得る。他プレイヤーの領地を征服すると、その戦力は1つ減少して手元に戻る。次のターンになったら、また領地を広げ…以下繰り返し。
これだけではただの陣取りゲームだが、このゲームの面白さは種族の衰退と乗り換えにある。敵の攻撃を受けると戦力が減り、領地も少なくなる。こうなったプレイヤーは、今の種族を衰退させ、新たな種族を取ることもできるのだ。衰退した種族は以降発展しないが、生き残っていれば勝利コインは獲得できる。うまくすれば、新旧2倍の得点を稼げるのだ。特殊能力の組み合わせによるコンボもあり、組み合わせの選択や乗り換えのタイミングが重要な要素になるわけだ。
旧作からの変更点として、最後の征服はダイスで戦力決定ができるようになった。最適解を探して手間取ったり、戦略ゲームのカツカツさを緩和するためのルールだろう。ゲーム終了のタイミングも特定ターンで終わるようになり、比較的短時間で終わるようになった。
ダイスのランダム性や得点の非公開などにより、新作はライトな感覚のゲームになった。元のゲームの面白さはしっかり継承しているし、自信を持って万人にお勧めできるゲームになったと言える…かな?(笑) とりあえずルール翻訳時点での感想はこのくらい。あとは実際にプレイしてみなくては。ちなみに夏には日本語版が出るらしいが、ゲーム本体に言語依存は全く無い(ElfとかDwarfとかの名前だけ)。ルールと特殊能力表さえきちんとしていれば、ゲーム自体は簡単な部類に入るだろう。ネットでの評価は高いようなので、迷っているようなら即買いの方向でどうぞ(笑)