アミティス

「ケイラス」「イスファハン」で一躍有名になった、イスタリの新作。ようやく入手できたが、ここの作品はルールが多くて最初のとっつきが悪い。そこで本番の前に、嫁と二人で遊んでみることにした。
ゲームの舞台はエジプト。ネブカドネザル王の時代。王妃アミティスの機嫌をとるために、隊商や技術者を駆使して空中庭園を作ろう、というものだ。ボードは庭園を表すものと、隊商を表すものの二つ。全員の情報が公開された、ランダム要素の少ないゲームだ。
ラウンド中は各自が時計回りにアクションを行い、全員がパスするまで続けられれる。パスしたプレイヤーは、他のプレイヤーがアクションを続ければコインを受け取ることができる。所持金の多いプレイヤーは多数のアクションを行えるが、早くパスしたプレイヤーはその間お金を稼ぐことができるわけだ。
肝心のアクションは二種類。コインを払って技術者を働かせるか、隊商チップを払って隊商を動かすことができる。技術者は四種類あり、作物や隊商チップを獲得したり、庭園に水路を引いたりすることができる。隊商は全プレイヤー共通で、チップを払った数だけ時計回りに移動する。移動先の効果として、作物を払って自分の能力を強化(毎ターンの得点や収入が増える)したり、庭園に植物を植えたりすることができる。
庭園にはタイルが配置されていて、水路を引いて植物を植えればそこのタイルを獲得でき、そこに書かれた名誉ポイントや、その他の得点を得る。名誉ポイントはタイルのポイントが大きいが、宮殿や水路で入るポイントも馬鹿にできない。勝利への道がいろいろ考えられる悩ましいゲームだ。
二人でプレイした時には、自分は早々に隊商を強化。ぐるぐる隊商を回して銀行や植物を購入しまくった。対してゆうは隊商の強化ができず、神殿ボーナスや作物を優先して獲得していた。中盤まではやや自分が先行していたが、終盤油断した隙に立て続けにタイルを取られて、その差で負けてしまった。
ルールがあれこれ絡み合って、最初にシステムを理解するのは大変だ。しかし選択肢はシンプルで、慣れればラウンド進行はサクサク進む。トータルすると、やはり良くできたゲーマーズゲームだ。流れは把握できたので、次は多人数でいろいろな戦術を試してみるとしよう。
(ゆう一勝)