ダークブレイズ

日曜日に初めてダークブレイズを遊んでみた。これがなかなか(マスターとしては)面白かったので感想を書いてみる。
基本システムは六門RPGの進化系といった感じ。ダイスの合計でなく、個々の出目を比較して正否を見るという点ではシャドウランの方が近いかな? 初代にあったガープスの面影は全く無い(笑)一目で達成値がわかるという意味では良いシステムだ。
戦闘も六門時代の面影を残し、命中判定は無し。攻撃力を出し、防御力を引いた数がダメージになる。この数値も、「判定の達成値×武器のダメージ倍率」という形なので結果がすぐに出る。ダメージダイスを沢山振る爽快感は無いが、コンピュータゲームのようなスピード感のある戦闘が楽しめる。
キャラクター作成に関しては、実は選択肢は多くない。種族と兵科(職業)、特技1つを選び、初期の成長とアイテムの購入でほぼ戦力的なデータは決まってしまう。この辺りは物足らない感じがあるが、これもゲームの高速化に一役買っているのは間違いない。
シナリオと運営のルールに関しては「TRPGの皮を被ったボードゲーム」と言われるほどかっちり決まっている。ダイスによるランダムイベントも、キャラクターのレベルに応じて難易度が決まっているし、戦闘でもプレイヤーの人数によって、出てくるモンスターの数が指定されている。マスターの仕事はシナリオの読み上げとモンスターのダイスを振る程度だ。キャラクター作成の縛りのきつさは、このシナリオルールと密接な関係がある。「選択肢が少ない=戦力のばらつきが少ない」ので、極端なパーティー構成でなければ、戦力の想定はし易い。わざと縛りを設けることで、どんな人数でも絶妙な戦闘バランスを設定できるのだろう。今回はプレイヤー5人で遊んだが、生かさず殺さずの絶妙なバランスだったと思う。敵のデータは公開されているし、ダメージに乱数は無いので手加減はできない。きつい場面もあったが、用意されているリソースを使いこなせば切り抜けられるバランスだ。初心者マスターでもこのバランスで遊べるという意味ではとても安定している。
キャッチコピーの戦車だが、こちらは実は影が薄い(笑) ダンジョンまでの移動拠点と移動中の戦力という意味があるが、やはり本番はダンジョン内なので。むしろ動力源とされているドライアドの方が重要だった。
ドライアドには性格と満足度、不満度という数値があり、各PCの性格との相性で好き嫌いがある(これは全てランダム)。好きなキャラクターが判定でクリティカルを出すと満足度が上がり、ファンブルを出すと不満度が上がる。嫌いなキャラクターはこの逆になる(性格悪いな(笑))この数値が一定数を超えると有利/不利なイベントが起こるので、判定の正否以上にクリティカル/ファンブルは盛り上がる要素になっていた。
ここまで総じて見ると、スピード感のあるシステムとシナリオで、サクサクとダンジョンを攻略していくゲーム、という感じだ。5時間程度のプレイ時間でシナリオ2本。戦闘は8回くらいあったと思う。最近のシステムではかなり軽い部類に入るだろう。
キャラクターの自由度が少ない部分は、装備の改造ルールが補っている。冒険で入手した素材で武器防具を強化し、オリジナルの武装を作っていく。短時間で遊べる点から見ても、中、長期のキャンペーンに向いたシステムと言えるだろう。
現時点ではダンジョンシナリオのバリエーションに欠けるのが欠点だが、すぐにサプリメントも出るらしいし、そちらに期待しよう。自作シナリオ派も、戦闘やイベントの難易度を指針に合わせることでバランスの良いシナリオができる。ゲーム性重視のシステム初心者なマスターや、手間をかけずにとっさにTRPGを遊びたい人にオススメのシステムだ。