ズーロレット

カードゲームのお気に入り作品の中に「コロレット」というものがある。七色のカメレオンカードを集めるのだが、種類を絞って集めないと得点が減ってしまう。他プレイヤーの妨害もしながら、いかに欲しいカードを集めるかがポイントのゲームだ。
これのテーマを動物園に変え、ボードゲームとしてリメイクしたのが「ズーロレット」だ。こう書くとただの焼き直し作品に見えるがさにあらず。様々な改良が入って立派な別ゲームになっている。本年度のドイツゲーム大賞受賞作品だ。

基本のアクションとしてはチップ(動物)を引いてトラックに乗せるか、動物の乗ったトラックを引き取ってラウンドから抜けるかの二択だ。ここまではコロレットと同じだが、更にコインを使ったアクションが増えている。
コインは動物を集めることによって入手でき、新たな檻を購入して得点の枠を増やしたり、不要な動物を処分(!)したりできる。他プレイヤーの余った動物を買い取ったりもできるので、このコインを使ってより良い動物園を作っていくのが重要だ。

もともと軽いゲームなので、追加要素があっても複雑になった気はしない。コイン絡みの要素が入ったことで、より戦略的になったが、テーマも明確になってわかりやすくなったとも言える(前作は何でカメレオン(の特定の色)を集めてるんだっけ?)。コンポーネントもカラフルで楽しげだし、ファミリー向けの良作として、ゲーム大賞の受賞も肯ける。

実際ゲームをやってみたが、適度な軽さと戦略性で、初心者から上級者まで幅広く楽しめそう。結果は一点差でギリギリの勝利。唯一檻を拡張していたのが役に立ったようだが、それでも一点差ということは無駄無く稼げればもっと高得点を狙えるということだ。理論上の最高点は決まっているので、いかに無駄を無くしていくか、という意味では奥が深い。追加のボード、ルールなども発表されているので、その辺りも順次追加していきたい。

(YOU−YA一勝)